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1168話

今は身動きがとれず、体勢を変えることもできない。剣の紐を引きながら外そうとするが、体の傾きが激しくて簡単には外れない。この手間のせいで、楊羽は貴重な数秒を無駄にしてしまった。さらに悪いことに、まだ剣が外れない。怒りが込み上げてくる。

楊羽はすでに息を限界まで止めていたが、ついに口を開いてしまった。雨水が流れ込み、五臓六腑が吐き出されそうなほど苦しくなる。

このまま自分はここで閉じ込められて死ぬのか?あまりにも理不尽だ。

楊羽は心の中で恨めしく思いながらも、必死に紐をほどこうとする。剣を捨ててでも脱出しようとするが、もはや手遅れだった。心が乱れ、本来なら簡単に解ける紐が、どうしても解けない...