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1052話

「だって」蘇小小の表情が曇り、まるで多くの昔話を思い出したように、少し言葉に詰まった。

過去は煙のように儚いものだが、それでも鮮明に目に浮かぶ。

「だって、この身体は蓮の花のもので、魂はあなたたちが言う南斉の銭塘第一の名妓、蘇小小のものなんです」蘇小小は俯いて、少し悲しげに言った。

楊羽は固まった。南斉といえば西暦500年頃、今から1500年も前のことだ。

蘇小小は本当にあの有名な名妓、蘇小小だったのか?

この世には夢のような出来事が数多く存在する。しかし人生そのものが一場の夢なのだ。

「蘭若寺は私の家なの。今は黒山の老妖も死んだし、暇があったらまた来てね」蘇小小は微笑みながら言った。

楊羽の...