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93話

「俺が白画龙兄貴の地位を認めるなんて、正直心の中では受け入れ難い」

年齢では俺の方が少し上だし、そもそも俺を呼び出して知恵を借りたいと言ったのは彼の方だ。

だが、近づいてくる人影を見て、考えを改めた。

社会の荒波を渡る連中には、彼らなりのルールがある。もし乱闘になれば、相手側に誰が立っているかなど気にしない。俺みたいに私服姿の人間なら、なおさら身分など問われないだろう。

それに白画龙は今や「兄貴分」の立場にある。何かあったとしても、その地位で多少は盾になってくれるはずだ。

今ここで彼の「兄貴」としての立場を支持しなければ、結局は彼の権威を弱めるだけでなく、俺自身にとっても不利になる。...