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80話

「林陽、こんなに長い時間考えていて、決断するのが難しいのかしら?」

楚監督はまだ熱心に私を見つめ、その笑顔は相変わらず魅惑的だった。

「私はね、誰にでもこんな風に心を開くわけじゃないのよ。期待を裏切らないでほしいわ」

「僕が…?」

私は心の中で素早く考えていた。楚監督から離れれば、女子監獄で立場を保つことなどできない。そうなれば鐘紫荷を守ることも絵空事になってしまう。

どうすべきだろう?

今の私に、鐘紫荷を見捨てることなどできるだろうか?

だが正直、ここに長く留まるつもりはなかった。昇進できるとしても。昇進が早ければ早いほど、転落する可能性も高くなり、その打撃も大きくなる。

そ...