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650話

寮に戻ると、私はベッドに横になり、目を軽く閉じた。

頭の中で考えを巡らせても、あの黒幕を暴くための明確な方法が見つからなかった。

考えてみれば、やはり三監区の陶文霞から手をつけるべきだろう。彼女が禁制品を摂取していることは既に確認済みだ。彼女を突破口にすれば、糸口を辿って怪しい手がかりを見つけられるはずだ。

布団の端を直し、もう少し楽な姿勢で横になる。

思考は再び蘇科長へと流れていった。

今夜、彼女が私に言ったことを思い出すと、嬉しくなる。

彼女は明日の午後に会いに来るよう誘ってきた。きっと私を受け入れる決心をしたのだろう。

もし明日、彼女の香りに触れることができたなら、それこそ...