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649話

明るい灯りの下、車の先端はすでに門をくぐっていたが、門のところには誰もいなかった。

ゆっくりと中に進んでいくと、刑務所の中庭は静寂に包まれ、いつもと変わらない様子だった。

ハンドルを切り、駐車場へと車を走らせる。

目に入る限り、人影は見当たらなかった。

くそ、奴らは罠を仕掛けて俺を陥れようとしているはずなのに、俺が戻ってきたというのに人の気配すら感じない。これはどういうことだ?

もしかして俺が戻るのが遅すぎて、待ち構えていた連中は寝てしまったのか?

いや、違う。普段から彼女たちはトランプを徹夜でやるくらいなのに、この時間に目の上のたんこぶである俺を潰すチャンスを簡単に逃...