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609話

生産会議の場所は、工場の東側にある部屋で、特別に仕切られた小さな会議室だった。

部屋に入ると、私は中を一瞥した。

確かに広くはない。中央に楕円形の会議テーブルが置かれ、その周りには十数脚の椅子が並んでいた。政務棟の会議室とほぼ同じ規模だ。

すでにテーブルを囲んで人が座っていたが、その半数ほどは見知らぬ顔だった。

私が会議室に入ると、彼女たちが一斉に視線を向けてきた。表情はさまざまで、軽蔑的なもの、不思議そうなもの、そして面白そうに見物しようとするものまであった。

衛大隊長は私を中へ案内し、椅子を一脚引き寄せて、円卓の脇に座るよう促した。

だが私が一歩踏み出す前に、傍らに座っていた高...