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601話

「あの女囚の班長が難色を示すのを見て、私の心は少し震えた。

状況は本当に衛大隊長が言ったように、今夜は誰も残業したがらないのだろうか?

私は気持ちを落ち着かせて女囚の班長を見つめた。彼女は機密情報の売買で服役している身とはいえ、以前は国家安全局にいて、それなりに世間を知り地位もあった人間のはずだ。それなのに今、こんなに動揺しているとは、何か理由があるに違いない。

昨日の残業者も彼女が集計したし、今日の集計も同様に彼女に任せていた。

今、私が工場に来た目的は主にこのことを確認するためだったが、衛大隊長が先に冷や水を浴びせ、今度はこの女囚までこんな態度を取るなんて。彼女たちは一体何をたくら...