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600話

その女囚は私の手招きを見ると、すぐに私の方へ駆け寄ってきた。

「林隊長、何かご用でしょうか?」食堂を担当している女囚が、へいへいとした笑顔で媚びるように尋ねてきた。

私は彼女を見て口元を歪めて笑い、言った。「みんなが食べてるのを見てるだけじゃ落ち着かないな。俺にも一杯よそってきてくれ」

私がそう言うと、女囚はくすっと軽く笑い、了解したと言って厨房へ走っていった。

すぐに、彼女は食事を持って戻ってきて、隣のテーブルに置き、私に言った。「林隊長、こちらでお食べください」

そのテーブルは、普段は看守たちが女囚たちの食事を監視するために座る場所だ。以前は女囚たちを連れて食事をするようなことは...