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581話

「卫隊長と蘇科長が親友だということは、前々から知っていた。蘇科長のために、私も二度ほど手を貸したことがある。

今回の受注を持ち帰ったからには、彼女の分も当然用意している。ただ、事情を説明する前に、彼女が今どんな状態なのか確認しておきたかった。

部屋の前で足を止める。

ドアが少し開いていて、隙間から二人がソファに座っている様子が見えた。

卫隊長は今にも泣き出しそうな顔で溜め息をついている。丸みを帯びた顔が霜に打たれたナスのように萎れていた。

一方、蘇科長はずっと見栄えがいい。

彼女はソファに斜めに座り、首を傾げて卫隊長を横目で見ていた。細く白い首筋が半分ほど露わになり、顔には微かな笑...