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570話

私は笑みを浮かべ、軽やかな気持ちでその服飾店へと歩いていった。

店の入り口に差し掛かると、中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「ほら、よく見てみて。この服はあなたにぴったりよ。なんて素敵な雰囲気になるかしら。まるであなたのために作られたみたいじゃない」

その声は澄んで心地よく、さえずるようにチュンチュンと小鳥のように、店内でお客さんに最も心のこもった接客をしていた。

「大きいって?全然そんなことないわ。この服を着るのはスタイルを良く見せるためなの。小さすぎたらダサく見えちゃうわよ」

中から聞こえる少し聞き覚えのある声に、私はハッと思い出した。前回、私の商品を売ってくれた...