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559話

金苗と一緒に外に向かう途中、私は何気なく他の話題で彼女と雑談し、昨夜出会ったあの二人のことをすぐに持ち出したりはしなかった。ましてや、あの二人の素性を調べるという話もしなかった。

金苗の反応から、何か違和感を覚えた。彼女は私と一緒にいる時、表面上は機嫌が良さそうに振る舞っていたが、その眉間には常に晴れない憂いの色が漂っていた。

今は金苗の状況を理解することが先決だと感じた。あの二人の経歴を調べることは、じっくり腰を据えて考えても良いことだろう。

食堂に着くと、金苗はまた率先して食事を買いに行こうとした。私は彼女を引き止め、「金苗、ここに座って待っていて。食事は僕が買ってくるから、お前はお...