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555話

三分区の養豚場に近づくと、そこには雑然とした不潔さではなく、かえって空気に漂う薄い煮豚の香りが感じられた。

今回の内監への訪問で、本来なら養豚場に立ち寄るつもりはなかった。だが今、この煮豚の香りを嗅いで、なぜか胃が欲しがっている。

正直に言えば、最近外回りをしていた間、刑務所で恋しく思っていたのは、邵芬が養豚場の調理場で作る煮豚だった。

養豚場の門を入ると、そこで作業していた女性受刑者たちが立ち上がり、熱心に私に挨拶してきた。

「林隊長、こんにちは」

「久しぶりね、私たちのこと忘れちゃったの?」

「林隊長、前より一段とかっこよくなったわね」

女性たちのお世辞や冗談に、私は笑顔で応...