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443話

「ラバ」と呼ばれる警備員が、ドンドンと私に二歩近づき、拳を振り上げて私の頭めがけて殴りかかってきた。

こういった一見体格がよさそうでも下半身の安定感に欠ける輩は、力比べなどもってのほかだ。

練習を重ねれば技術が身につくというが、奴の弱みは足にある以上、四両で千斤を動かす要領で、その弱点を攻めるべきだろう。

ラバの猛烈な攻撃に対して、私は避けるどころか、身を素早く動かして、逆に奴に詰め寄った。

奴の拳が落ちてくる直前、私は両腕を曲げて奴の胸に突き込みながら、同時に下腿を先回りさせて奴の膝裏に引っ掛けた。

そして、下腿に力を込めて後ろへ引き、両腕で外側へ押し出した。

「おわっ!」

ラ...