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436話

唐洁の言葉を聞いて、私は淡い微笑みを浮かべるだけだった。

きっと唐洁は、あの一線を越えれば私の心を根本から捕らえられると思っているのだろう。

だが彼女は、この人の心が浮ついてしまった時代にあっても、私のような本心を守り続ける人間がいることを想像していなかったのかもしれない。

私はあの関係を軽視しているわけでもなく、負うべき責任から逃げるつもりもない。

だがそれは、自分が感情の愚か者だということを意味するわけではない。

女子刑務所に入る前の私なら、まだ固執していたかもしれない。しかし、あれほど多くのことを経験した今となっては、感情に関して、もう簡単に自分を差し出すことはできなくなった。...