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434話

本棚の下段にある2冊の本は、本の表紙がめくれ上がり、それらが何処長の手の中でどれほど虐げられてきたかを物語っているようだった。

読書は人のためになるというが、もし何処長がまだ本に時間を費やしているなら、少しは向上心があるということだろう。

だが、手に取った2冊のうちの1冊を何気なくめくってみると、思わず心の中で罵った。

何処長、お前って本当に恥知らずだな。

この2冊の本はとても分厚く、外装は古風な線装本風のデザインだった。

しかし中身は、「未央生」や「玉蒲団」といった類の文章で、さらに解説まで付いていた。

くそっ、つまり何処長は毎日こんなものを研究していたのか。

本当に理解できな...