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37話

宿舎の前に車を停め、黎隊長を車から運び出した。彼女はまだ目を覚まさないままだった。

私は薛強に彼女を彼の部屋に連れて行くべきかと尋ねた。

薛強は私を睨みつけ、言った。「今夜はほとんど命を落とすところだったんだ。ようやく彼女を酔わせたのに、まだ私の部屋に連れて行けというのか?夜中に目を覚ましたら、俺はきっと食われちまうぞ?」

彼が焦っている様子を見て、私は口を挟まなかった。火に油を注ぐようなことは避けたかったからだ。

しかし、黎隊長のような体格の人を、私一人では部屋まで送れない。結局、薛強の助けを借りて二人がかりで彼女を自分の宿舎まで運んだ。

薛強は彼女をちょっと寝かせると、...