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365話

曹夏天の苦しそうな、言いたくても言えないような表情を見て、私はもう彼女にその名前を言ってほしくないと思った。

なぜそんな気持ちが湧いてきたのか分からない。ただ、窦寧があの偽物の紙玉で曹夏天を追い詰めるのは、少し残酷すぎると感じた。

二人が見せているこの光景は、本当に私の心の最も柔らかい部分を刺してきた。

私はただ自分の努力で目標に到達したいだけで、誰かを傷つけようなどとは思っていなかった。

もし私の進む道がこれほど残酷なものだとしたら、この人生の旅を諦めたほうがいい。

私の心が少し痛んできたその時、窦寧は力強く手を振り上げ、紙玉を投げ捨てるような仕草をした。

そんな刺激を受けた曹夏...