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350話

「常識で考えれば、新しい店が開店すれば、好奇心から試してみたい人が来るものだ」

実際にその通りで、何人かが試しに来ようとしているのを目の当たりにした。だが、閻順の手下が門を固めているせいで、あの凶悪な面構えを見た途端、誰も厄介ごとに巻き込まれたくないと、すぐに引き返してしまう。

良い対策が思いつかずにいると、突然、通りに一台のビュイック車が停まった。

車から男女一人ずつが降りてきた。

男はきちんとした服装で、まるで正規の企業で働いているような風体だ。女は花柄の長いワンピースを着て、派手でおしゃれな印象だった。

その女性が頭を上げて私たちの看板を見ると、興奮した表情で笑い、車...