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312話

温監区長のやり方がエスカレートしていくのに、私は不愉快になった。

彼女と真っ向から対立したいが、どこか踏み切れない気持ちもある。

でも、彼女の要求を受け入れたら、それは自分を制裁する把柄を渡すようなものだ。

考えるまでもない。

彼女の言う通りにすれば、休暇なんて微塵もなく、少しでも遅刻したり一日でも休めば、それを材料に責め立てられる。

何か用事があって離れたいときは、わざわざ彼女の前に行って休暇を願い出なければならない。

さらに、私が五監区で安定した地位を築いた後も、私の成果はすべて無駄にされる可能性がある。

そう考えると、胸の内が冷えていくようだった。

もし今...