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311話

第五監区の事務棟は、外見からすると灰色でぼんやりとしていた。

監区全体の色調とほぼ同じで、人に生き生きとした印象を与えるものではない。

中に入ると、私は階段を上り、すぐに二階へと辿り着いた。

廊下に入る前のホールには、ステンレス製の展示ケースがあり、その中には多くの表彰状や賞状のようなものが並べられていた。

私はそこに歩み寄り、それらの証書をゆっくりと見ていった。

それらの証書には監区単位で、どのような活動によって得られた栄誉なのかが記されていた。

整然と並べられた二列の証書を見終えて、私は内心で頷いた。

どうやら第五監区はさまざまな面で優秀なようだ。これほど多くの証書を獲得し、...