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291話

私は鐘紫荷の話に乗らなかった。このままやり取りを続けると、彼女が私が彼女を再び受け入れたと本気で思い込んでしまうのが怖かったからだ。

女子刑務所を出て、そのまま県城へと車を走らせた。

まず洋服店を見つけ、鐘紫荷に合った服を選ばせた。

あの制服は少し大きめのサイズで、鐘紫荷の体にはダボダボとして、全く似合っていなかった。

私は彼女にきちんとした格好をしてほしかった。少なくとも、私と一緒に出かける時には恥ずかしくない姿でいてほしかった。

鐘紫荷はとても喜んでいた。試着室から選んだ服を着て出てきた時、あの清楚で俗世離れした姿に、思わず目を見張ってしまった。

彼女が選んだ服は上品で、淡い色...