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210話

「梁隊長は手加減したつもりだったのか、劉翠に当たらず、かえって自分が足を踏み外して、あわや彼女の腰にぶつかるところだった。

この光景を見て、私は思わず心の中で喜び、足を止めた。

劉翠は今のところ負けなさそうだ。普段から管理棟で毎日バーベルを持ち上げてトレーニングしているからな。身体能力はなかなかのものらしい。

彼女が梁隊長の一発目のビンタをかわせたなら、二発目もかわせるだろう。こんな面白い展開、まずは見物しておこう。

私はもう一度腕を組んで、そこに立ち、余裕のある風を装った。

梁隊長は体勢を立て直すと、顔には既に怒りと屈辱の色が浮かんでいた。「てめぇ、よくも避けやがったな?どこの監区...