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183話

何処長の極度に不快な表情を見ていると、私の頭にひらめきが走った。

強敵に遭遇したら、まずはその鋭気を避けるべし。

相手の傲慢さが収まれば、自然と局面は好転するものだ。

そうだ。

私は振り向いて蘇科長の腕を引き、椅子から立たせながら注意を促した。「蘇科長、これだけお酒を召し上がったなら、ちょっとお手洗いが必要ではありませんか?」

蘇科長は私を見つめて二度まばたきし、その妖艶な表情がわずかに揺れ、理解したようだった。

彼女は愛らしく微笑み、小さくうなずいた。

私は心の中で息を呑んだ。こんな状態なのに、まだ何かしらの上品さを装うつもりなのか。

お手洗いに行ってもらうの...