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150話

この瞬間、私は周雅の感情に構っている余裕などなかった。危険が去るまで、全力で烏鞘に対処しなければならない。

振り返ろうとした矢先、背後から再び風を切る音が響いた。

「ぶっ殺してやる、このクソ野郎」烏鞘の罵声と共に、飛んでくる刀の風切り音がより切迫感を増した。

考える間もなく、手にした刀を後ろに向かって投げ返した。

ガチャンという音と共に、背後で二つの刀がぶつかり合い、地面に落ちた。

しかしその一瞬の間に、私は既に体を回転させていた。烏鞘の顔には、明らかな動揺が浮かんでいた。

おそらく血まみれの私の姿と凶悪な眼差しが彼を震撼させたのだろう。烏鞘は悲鳴を上げると、後ろに向か...