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898話

「もちろん心の中では何の恥じらいもないわ。だって、こういうことをした後に実質的な見返りを得るのは当然のことでしょう?」

「報酬がなければ、誰がこんなことする暇があるっていうの?」

「あなたを救うために、私は信号無視までしたんだからね!」

「幼稚園児でさえ知っているでしょう?先生からご褒美をもらうには、それなりの労力を払わなければならないって。『酒を飲むように、まず酔わずに』なんて、自分という美酒を味わいたいと思っているだけじゃないの」

白温雅は誠実そうな表情を浮かべる私を見つめ、どう反応すべきか一瞬戸惑っていた。

実際、白温雅のような女性にとって、私がどんな心持ちでいるかは一目見れば分かる...