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820話

私は大ホールの様子を再び確認してみると、カウンターの中にいる二人の犯人がまだ貪欲にお金を詰め込んでいた。二つのバックパックはすでにパンパンに膨れ上がり、三つ目のバックパックもほぼ満杯になっていた。二人は何度も押し込もうとし、できるだけ多く詰め込もうとしていた。お金が多すぎて全部は入らないというのが、今この二人の最大の悩みだろう。

人質を監視している犯人に目を向けると、そいつはこの時とても暇そうで、タバコをくわえて煙を吐き出していた。こんな状況でもタバコを吸う余裕があるとは、感心せざるを得ない。

私は歯を食いしばり、頭の中で少し計算してから、美女の手をそっと振りほどき、体を半分ほど出した。目...