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665話

私はこの瞬間、多くのことを突然決めた。それは世の中を見透したとかそういうことではなく、ただベランを少しでも幸せにすることが私の今後の目標だと気づいたのだ。それだけのことだ。

「たとえ乗り越えられなくたって、私たちにはまだこれからも一緒に過ごす長い時間があるじゃない?それだけで人生で最も美しい思い出を持つには十分だよ」

私はベランの長い髪を優しく撫で、風で乱れた前髪を整えてやった。

「そうね、まだまだ長いもの!人生で味わえる輝かしい瞬間は、きっと全部手に入れられるわ。もし本当にそうなら、私の人生に後悔はないわね!」

ベランは急に悟ったように、途端に気持ちがずっと明るくなった。

「二年後...