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660話

温小玉の反応を見て、私と貝蘭児は目を合わせ、少し困ったような表情を浮かべた。

この気まずい雰囲気を打ち破ったのは、老道だった。「今、彼女たちのことを血まみれだと言ったが、もし彼女たち二人がいなかったら、あの列車の中でどれだけの人が死傷していたか考えたことがあるのか?」

老道は自分の髭をゆっくりと撫でながら言った。「彼女たちがしたのは大きな善行だ。死んだ者たちは、当然の報いを受けただけのことよ」

温小玉はさっきまでそういった事を初めて聞いたので、少し怖がっていただけだった。今、老道にそう言われて、すぐに理解したようだ。彼女は小さな顔を赤らめながら言った。「お姉さん、宏兄さん、さっきは故意じ...