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642話

「何か問題でも?」

ベイラニルは自分の身体のどこかが汚れていて、私がじっと見つめていたのだと思った。

「ラニル、今日は本当に美しいよ」

思わず口をついて出た言葉は、完全に心からの賛美だった。

「うん」ベイラニルは私の心からの甘い言葉を受け、心の中で花が咲いたように喜んだ。

彼女は手で自分の前髪を撫でつけ、より魅力的な一面を見せようとした。

しかし、そんな仕草が私の目には全く別のものに映る。誘惑、紛れもなく露骨な誘惑だ。

ベイラニルはもともと仙女が舞い降りたような美しさで、魅力に溢れていた。そこに撫で付けるという誘惑的な仕草が加わると、まるで無垢な子羊よりも心を掻き立てる。

ベイ...