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567話

その時、心臓が猛スピードで脈打っているのを感じた。楚如玉がドアを開けて私を見ると、その可愛らしい顔に喜色が浮かんだが、私が手に提げているものを見た途端、表情を引き締めた。

「宏お兄さん、これは何?来るだけで十分なのに、何か持ってくることないわよ。次にこんなことしたら、容赦しないからね」

そう言いながら、楚如玉はドアを開け、私を中へ招き入れた。私が入ると、彼女は部屋の中に向かって声をかけた。

「思凡、誰が来たと思う?」

「誰?」部屋から声が返ってきた。

すると、寝室のドアが開き、赵思凡が姿を現した。リビングに立つ私を見ると、彼女の顔にも喜びの色が浮かんだ。

まさか赵思凡がここにいると...