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462話

入り口から今まで、私たち二人は名前すら知らない。この感覚は不思議だ。まるで一夜限りの関係のように、互いの欲求を満たすだけ。終わればさっさと立ち去り、相手の生活には踏み込まない。

彼女の妖艶な姿と豊富なテクニックから見て、どこかの高級店のトップ嬢ではないかと疑ってしまう。そう思うと、さっきの情熱的な行為でコンドームをつけなかったことが急に不安になってきた。もし彼女がエイズを持っていたら私はおしまいだ。気づけば背中に冷や汗が浮かんでいた。

私はただ呆然と彼女に武器を綺麗にしてもらうままにしていた。彼女が手を止めると、夢から覚めたように慌てて濡れたままの服を身につけ、彼女の驚きと名残惜しそうな視...