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395話

「声を低くして!」

私はこれが自分の問題だとは思わなかったが、あまりにも大きな声で言われて少し面目が立たず、急いで制止した。

「おじさん、薬飲んだら?私、効くやつ持ってるから、安くしておくよ」

娘は私を見ながら、傍らに置いたハンドバッグから薬を取り出そうとした。

私は彼女を止めた。「いらない、自分のがある」

彼女の薬は正直あまり信用できなかった。

「せっかく持ってきたんだから早く飲めばいいのに、今から時間かけるなんてもったいないじゃない」

娘は少し小言を言うような口調で、私が服の方へ薬を取りに行くのを見ると、身体を反転させてベッドにうつ伏せになり、再びスマホをいじり始めた。

私はズボンのポケッ...