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380話

「おじさん、座って」

蘇瑶は私の手を引いてソファへ案内した。私が彼女を見つめても、彼女は目を合わせようとしない。

ん?どこからか漢方薬の匂いが。少し不思議に思ったが、今は蘇瑶の様子を確かめることが先決だ。

話を切り出そうとした瞬間、足が何かに触れて、床で澄んだ音を立てた。

何だろう?頭を下げて何を蹴ったのか確認しようとしたが、蘇瑶が前に立ちはだかった。

「私が拾うわ、おじさん!」

蘇瑶の動きも表情も、どこか不自然だ。

私は視線で彼女を制し、彼女の手を押しのけて、茶卓の下から何かを拾い上げた。

それは陶器の破片、正確には茶碗の欠片だった。

顔を上げられない蘇瑶を見ていると、別の何かに気づき、とっ...