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355話

「唐兄弟、実はな、もし俺がお前さんの社長に話して、待遇を上げてもらうように頼んだのに、万が一断られたとしても、俺を責めないでくれよ!」私は適当な言い訳をでっち上げて誤魔化した。

「いえいえ、張先生が頼んでくださったのに、社長が取り合わないようなら、もうそんな会社に居続ける必要はありません。将来性がないということですから」唐柳は慌てて笑いながら言った。

「それならよかった。唐兄弟のような友人を失いたくないからな!」私は深く息を吸い込み、何とか感情を落ち着かせようと努めながら、同時に趙思凡に目配せを送った。

先ほどの一瞬で、趙思凡はすでに額に汗を浮かべるほど驚いていた。彼女はこっそりと手で額...