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276話

ここまで来てしまうと、私は思い切って、彼女の肌に強く口づけし、そっと手を伸ばして、服越しにベランの胸に触れた。

手を当てた瞬間、心の中で思わず声を上げそうになった。心臓が胸から飛び出しそうなほど激しく鼓動し、過負荷になりそうで、頭がくらくらする。血液が急速に流れる兆候だ。

私が胸に手を当てると、ベランの喉から甘い吐息が漏れた。

だが彼女はまだ何の動きも見せず、ただベッドに静かに横たわり、私のなすがままになっていた。

その声を聞いて私はぎょっとし、揉んでいた手も引っ込めた。慌てて彼女の顔を見上げると、顔色がより赤くなり、息遣いが荒くなっているだけで、瞳はまだしっかりと閉じられていた。

こ...