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951話

「わかったわ」

電話を切ると、私はそのまま前に進み続けた。すると、前方で一人の女の子が電話をしているのが目に入った。

その子は制服を着ていて、丸い顔をしていた。明らかに先ほどバスの中にいた女子高生じゃないか!

彼女は電話を終えると、その場に立ち止まったままだった。

私は彼女に気づかれるのが怖くて、大回りして通り過ぎ、そのまま団地の中へ入っていった。

この団地はオープン式で、正門も塀もなく、いくつものマンションが立ち並んでいた。

ちょうど建物の下まで来たとき、通路から一人の女の子が走り出てきた。林暁娟だった。

もちろん声をかけるわけにはいかず、そのまま前に進んだ。

林暁娟は私をちらりと見ただけで...