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916話

「そうだったんだ。私はこうして一歩一歩、違う人生へ踏み出していった。暗闇の中で光を求めながら」

「パン!」

「パン!」

周りの人たちの表情が厳かになっていくのに気づいた。彼らが見ているのは梅子、そして昔の私の姿だろう。

義姉が携帯を取り出して撮影しているのが見えた。

きっと彼女もこの活動に意味があると感じているんだろう。

十メートルもない距離なのに、梅子は何分もかけて歩いていた!

実は、視力を失うと、人は真っ直ぐ歩くことができなくなる。一般的に右足が左足より大きく踏み出してしまうと、人は円を描くように歩いてしまうんだ!

先日、都会でテレビを見ていたら、あるお寺の番組をやっていた。

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