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846話

「よし、晩ご飯の時間だ。お前、二狗子を起こしてこい!」

私は居間から出た。

自分の部屋に行くと、ベッドには二狗子の姿など影も形もなかった。

「お父さん、お母さん、二狗子が部屋にいないよ!」と私は叫んだ。

「いないって?」

父と母が声を聞いて出てきた。

「ベッドを触ったけど、誰もいないんだ!」

「あれ、本当にいないな。どこに行ったんだ?」

そのとき梅子が近づいてきて言った。「三十分ほど前、彼が出て行くのを見ました」

「どうして一言も言わずに行っちゃったんだろう?」私は不思議に思った。

梅子はもごもごと言った。「たぶん、たぶんさっき、お父さんとお母さんが帰ってきたとき、私が庭で二狗子のことを話した...