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812話

私は黙った。

蘇梅という娘がどんな人なのか、ぜひ会ってみたいと思った。彼女のような自己犠牲の精神には本当に感動させられる。

「金水?」

「聞いてるよ!」

「金水、お前の兄嫁に言っておくれ、早く帰ってくるようにって」

「母さん、帰るのはいいけど、この蘇梅とうまくいくかどうかに関わらず、俺は町に戻って兄嫁の仕事を手伝うからな!」

「それは当然よ。そうでなきゃどうやって嫁さんを養うの!私とお前の父さんが言いたいのは、まずは蘇梅ちゃんと結婚式を挙げて、嫁さんのお腹に動きがあったら、それから出稼ぎに行きなさいってことよ」

「母さん、そんなのダメだよ。兄嫁のお店は来月オープンするんだ。結婚したとしても、半...