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747話

義姉は私の手を引いて路地に入った。両側には壁があり、その向こうは住居棟だった。

大都会にもこんな狭苦しい路地があるとは思わなかった。

もちろん、私が目にしたものは全て口に出すわけにはいかない。

それでも義姉は私の外出に便利なように、周囲の環境を詳しく説明してくれた。

彼女が一番心配していたのは、私が都会で歩き回ることだった。

二度曲がったところで、私たちはあるマンションの前に到着した。

義姉が言うには、ここは旧市街だから、これらの建物にはエレベーターがないとのこと。

彼女は私の手を引いて三階まで上がった。

三階には二世帯しかなく、彼女はそのうちの一つのドアをノックした。

ドアが開いた。

私は目...