プライベートカメラマン

745話

このリー科長は眼鏡をかけ、スーツを着こなし、知的な印象で、三十歳過ぎくらいだった。

彼は兄と一緒に海外へ行った人で、前回は来なかったが、今回は兄の遺品を一緒に持ち帰ってきたのだ。

兄の身の回りの品々で、その中には海外で撮った写真も何枚かあった。

後で義姉さんが言うには、このリー科長のことは知っていて、リー・ジエという名前で、以前は兄とも仲が良く、何度か一緒に食事をしたこともあるそうだ。

しかし、私はこのリー科長に良い印象を持てなかった！

なぜかって？

この男は中庭に入ってきた時から、ずっと義姉さんに視線を向けていて、その目には熱っぽいものがあり、義姉さんと握手する時も、その仕草はあまり礼儀正し...