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671話

「金水、先に話してくれないか、さっきお母さんが部屋で何を言ったの?」嫂の視線が警戒心を帯びてきた。

「何も言ってないよ、ただ嫂さんが俺に優しくしてくれるから、俺も嫂さんに優しくしなきゃって」と私はもごもごと答えた。

「金水、嘘をつかないで。お母さんはきっと他のことも言ったはずよ」

嫂の澄んだ目の前で、私は後ろめたさを感じて俯いた。「嫂さん、母さんが、言ったんだ。嫂さんと兄貴は子供ができないから、兄貴は俺が代わりに、嫂さんと、その...」声が小さくなって、自分でも聞こえないほどだった。

「金水、あなたは承諾したの?」嫂の声には切迫感があった。

俯いたまま言った。「兄貴は本当に同意したん...