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632話

七彩七夜の花は世界で最も邪悪な花であった。本来は地獄に生息していたが、ある時、一匹の悪鬼によって人間界にもたらされたのだ。

かつて法力無辺の七彩七夜の花が現れ、人間界に数多の災厄をもたらしたこともあった。

私はゆっくりと背中のバッグから黄金の剣を取り出した。意外なことに、七彩七夜の花は金に弱いのだ。

金は非常に柔らかい素材だが、七彩七夜の花に触れると驚くほど硬くなり、ダイヤモンドにも匹敵するほどになる。

これはおそらく相克の原理というものなのだろう。

しかもこの金の剣は、私が二百万もの大金をかけて打ち造らせたものだ。少し痛い出費ではあるが、命がなくなってしまえば、もはやお金を使うこと...