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631話

私は急いで進んでいたものの、その道中で後ろから次々と異音が聞こえ、何やら巨大な何かが現れようとしているような気配があった。

足を止めることなく、振り返って後方を確認すると、かすかに赤い光が立ち上っていることに気づいた。その光は七彩七夜花のようだったが、七彩七夜花のものよりも一層明るく、まるで花が咲き誇るような感覚を漂わせていた。

それを見て、私は思わず立ち尽くした。体を完全に向け直し、その光をじっくりと見つめると、巨大な七彩七夜花がゆっくりと私の目の前に現れてきた。

「七彩七夜花!」私は目を見開いた。まさかこんな巨大な七彩七夜花が現れるとは思ってもみなかった。

花が完全に姿を現したとき...