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60話

次の瞬間、入ってきたのは看護師だと気づき、私はすぐに安堵のため息をついた。

「王超さん、お薬の交換の時間ですよ。電話はいったん切りましょう」看護師は手元の薬を準備しながら言った。

ちょうどその言葉が秦菲に完璧な説明を与えてくれた。秦菲は聞いた途端、心の中で後悔の念に駆られたようだ。

彼女は誤解していたのだ。超お兄さんが彼女の父親のお見舞いに来られなかったのは、自分が入院していたからこそ。彼女の付き添いを手伝えなかったのも。

彼女に心配をかけまいと、自分が入院していることすら言わず、誤解されるのを受け入れていたなんて。

超お兄さんはこんなにも素晴らしい人なのに、自分はひどい考えを持って...