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593話

「ああ、兄貴、好きなのを選んでくれていいよ」と私は笑いながら言った。

張さんはたちまち興奮した様子を見せた。時間もちょうどよさそうだったので、私たちは前回足湯をしに行った場所へと向かった。

およそ10分ほど歩くと、目的地に着いた。今回は道も覚えていたので、私たちはそのまま中に入った。

中に入るとすぐ、チャイナドレスを着た美女たちが二列に並んで立っていた。私たちが入ってくるのを見ると、腰を折って一斉に「いらっしゃいませ!」と頭を下げた。

私と張さんはにこにこと頷いた。

そのとき、スーツを着た若い男性が急いで近づいてきて、笑顔で「お二人様ですか?」と尋ねた。

「はい、二人です」と私は答えた。

「わ...