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587話

「こんなこと、口外できるわけないじゃないですか。女の子の清白にかかわることですし」私がそう言うと、林詩詩の顔にたちまち喜色が浮かんだ。

「そうですか、よかった」

私は意外そうな顔を装って彼女を見つめた。「どうしたんだ?」

林詩詩は目をきょろりと動かしてから、口を開いた。「王先生、その、その心残りのこと、私が解決してあげましょうか。でも、約束してくれた携帯とパソコンのことなら、私、いいですよ!」

「本当か」私は興奮した様子で彼女を見た。

そして続けた。「それは構わないよ。安心して、王先生が言ったことは絶対守るからな。で、いつ王先生に見せてくれるんだ?」

林詩詩は辺りを見回してから尋ねた。...