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516話

「そう言うと、私は医務室を後にした。どうやら白医師は事の顛末を知らないようだ。それは少し気が楽になるが、同時にとても切ない気持ちにもなった。

風呂場に戻ったが、まだ仕事を始める時間ではない。私は階段に座ってタバコを吸っていた。吸いながらふと見ると、王先生が歩いてくるのが見えた。

王先生を見た途端、私の顔に笑みがこぼれた。「王先生、どうしたんですか?」

王先生は満面の笑みで私を見つめながら言った。「老王、今夜時間ある?」

「ありますよ。どうかしましたか?何かあったんですか?」私は彼女を見つめて尋ねた。

王先生の顔に急に嬉しそうな表情が浮かび、口を開いた。「今夜、ちょっと出かけて街を見て...