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496話

「実は、強くんは外へ飛び出したんですよ!」と私は口を開いた。

「何だって、飛び出したって?」校長は驚いた様子で私を見つめた。

私は頷きながら言った。「はい、強くんは確かに飛び出したんです。もうこのまま続けたくないと言って、自分の道を切り開きたいって」

「いつ出て行ったんだ?」校長は目を細めて尋ねた。

「この前の日ですけど…」そこで私は気づいた。強くんが出て行ってからもう何日も経っているのに、校長がなぜ今になって私に尋ねてくるのだろう。

私の言葉を聞いた校長は長い間黙り込んだまま、何も言わなかった。

これには私も意外に思い、考え込む校長の姿を見て声をかけた。「校長先生、どうかしましたか?」

校長...